騒音による健康障害(読み)そうおんによるけんこうしょうがい

家庭医学館 「騒音による健康障害」の解説

そうおんによるけんこうしょうがい【騒音による健康障害】

 音は、周波数(1秒間の振動数)によって、低周波(ていしゅうは)空気振動(0.1~20ヘルツ)、可聴域音(かちょういきおん)(20~2万ヘルツ)、超音波(2万ヘルツ以上)に分けられます。
 可聴域音のなかで、人に不快感、生活妨害、健康障害などの被害をもたらす音が騒音です。
●健康障害
 長期間、騒音にさらされていると、騒音性難聴(そうおんせいなんちょう)(「騒音性難聴/音響外傷」)になります。
 難聴以外では、不快感、いらだちなどの心理的な被害のほか、睡眠妨害や作業能率の低下がおこります。
 妊娠にも影響を与え、妊娠期間の短縮、赤ちゃんの生下時体重の減少、早期破水(そうきはすい)などを誘発することがあります。
●対策
 騒音源となる工場、建設現場、道路、航空機、新幹線などに対しては、環境基準を守るように騒音規制法によって騒音発生源対策や遮音施設設置などの施策を講じるように基準が設けられています。しかし、道路交通騒音については、環境基準を満たしていない地域が少なくありません。
 騒音の出る職場には、騒音による健康障害を防ぐために許容基準があって、順守が義務づけられています。
 なお、長年イヤホーンカセットテープラジオを聞いていると、騒音性難聴がおこる危険があります。音質のいい器具を選ぶ、30分ごとにイヤホーンを外して休む、できるだけ音のボリュームを絞る、などの注意を守ることが必要です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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