日本歴史地名大系 「高上郷」の解説 高上郷たかかみごう 大阪府:摂津国島上郡高上郷「和名抄」高山寺本・東急本ともに訓を欠く。「日本地理志料」はこの郷名を「高生」の誤字とみなし、武蔵国横見郡と但馬国気多郡の高生郷と同じく「多加布」と読み、「日本書紀」安閑天皇元年閏一二月条に記される三島竹村(たかふ)屯倉と結びつけて理解した。「大日本地名辞書」も「日本地理志料」にしたがって高生郷とし、三島分郡の時に高生も分けられて高生上・高生下の二郷となり、前者が島上郡、後者が島下(しましも)郡に属することになったが、「和名抄」は高下郷が脱落したと考えた。これに対して、天平勝宝年間(七四九―七五七)とみられる西南角領解(正倉院文書)に「摂津職島上郡高於郷」とあるのに注意し、高於(たかお)―高生―高上と考証する見解がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by