日本歴史地名大系 「島上郡」の解説
島上郡
しまかみぐん
淀川右岸の摂津国東部に位置した郡。「和名抄」によれば訓は「志末乃加美」(東急本国郡部)。のちに「しまかみ」とよばれるようになり、近代の郡名の訓は「シマカミ」(内務省地理局編纂「地名索引」)。摂津国の最東端に位置し、東は山城国
〔古代〕
郡名の史料上の初見は、「続日本紀」和銅四年(七一一)正月二日条であるが、「播磨国風土記」揖保郡大田里の条に「三島賀美郡」、天平宝字四年(七六〇)一〇月二二日の写経所公文(正倉院文書)と平城宮出土木簡に「三島上郡」とあり、これが郡名の古称であったことが知られる。三島の地名は文献に早くからみえる。「日本書紀」雄略天皇九年二月条と欽明天皇二三年一一月条にみえる三島郡の名称は、この時期に郡制があったとは考えられず、書紀編纂の段階における修飾とみられるが、三島という地域名称が存在したことは確かである。また同書の神代紀には「三島の溝姫」(「古事記」神武天皇段には三島溝咋の女)、神武即位前紀に「三島溝耳神」、安閑天皇元年条に「三島に行幸す」、「三島県主飯粒」、「三島
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報