高台寺庭園(読み)こうだいじていえん

国指定史跡ガイド 「高台寺庭園」の解説

こうだいじていえん【高台寺庭園】


京都府京都市東山区下河原町にある庭園。高台寺は豊臣秀吉正室、寧々(ねね)(北政所(きたのまんどころ))が、1605年(慶長10)に秀吉を弔うために建立した寺院で、小堀遠州作の桃山時代を代表する池泉回遊式庭園で知られる。臨済宗建仁寺(けんにんじ)派の寺院で、伏見城の一部を移築して壮観をきわめたが火災にあい、開山堂や霊屋(たまや)、渡り廊下でつながっている茶室の傘亭(かさてい)と時雨亭(しぐれてい)、表門、観月台は創建当時のもので、重要文化財に指定されている。開山堂の左右に配された臥龍池(がりょういけ)と偃月池(えんげつち)のある庭園は「鶴亀の庭」とも呼ばれ、東山の山々を借景とした美しい景色が広がる。また、秀吉と北政所の坐像を安置する霊屋内部の須弥壇(しゅみだん)などにほどこされた蒔絵(まきえ)文様は、高台寺蒔絵としてよく知られる。傘亭の天井は丸太と竹とで組み、から傘を表した珍しいもので、時雨亭とともに桃山時代の茶室建築を代表するものである。1927年(昭和2)に国の名勝史跡に指定。JR東海道新幹線ほか京都駅から市バス「東山安井」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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