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借景 シャッケイ

デジタル大辞泉の解説

しゃっ‐けい〔シヤク‐〕【借景】

造園技法の一。庭園外の山や樹木などの風景を、庭を形成する背景として取り入れたもの。京都修学院離宮庭園などが知られる。

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百科事典マイペディアの解説

借景【しゃっけい】

日本庭園において,庭外の風景を景観として利用すること,あるいはその風景をさす。借景式庭園では,風景が主題となって庭自体は簡素化された例が多い。京都では比叡山を借景としてとり入れた庭が多く,修学院離宮円通寺などの庭園がその代表例。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゃっけい【借景】

造園技法の一つ。庭園外の景物をとりこんで構成の要素とする場合,これを借景という。中国明代の書《園冶》(1628)に初めて現れる言葉で,中国や日本のような風景式庭園で採用される手法である。とりこまれる景物は自然の山の場合が多いが,松並木あるいは楼閣や塔のような建造物の例もある。日本における借景は,中世まで眺望にすぐれた立地を求めたり,天竜寺庭園のように背後の嵐山と一体となるような,自然そのものと融合させることが中心であったが,近世以降は,庭内近景,中景をおき,借景を庭園の遠景として,庭園に空間的広がりを与え,庭園そのものを中景,近景とともに絵画的に変質させる技法となった。

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大辞林 第三版の解説

しゃくけい【借景】

しゃっけい【借景】

庭園外にある山などの景物を、庭園の構成要素として取り入れること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

借景
しゃっけい

日本庭園の一様式。庭園の背後あるいは横の部分の、美しい山や山脈、海洋、湖沼、社寺の建築(とくに塔)などを背景として扱い、その庭園の中に溶け込ませる技法で、一般の庭園愛好家に好まれている。
 従来からあった借景の方法を個別にみると、次の種類に分けられる。
(1)近山を借景にしてそれを庭に接続する。
(2)近山を別の景観として取り扱う。
(3)背景の森林を庭に接続しているようにみせる。
(4)背景の森林を別個の存在のようにみせる。
(5)遠景と近景を庭園に接続させる。
(6)遠景と近景を別個の景観として取り扱う。
(7)中景および遠景を庭園の背景とする。
(8)上の方法で古建築や古塔などを意識的に庭園景致に導入したもの。
(9)湖沼および遠山を絵画的に庭園に導入する。
(10)内海あるいは湾を、庭園から俯瞰(ふかん)することによって別個の景観を構成する。
(11)一般近景を絵画的に庭園内に導入する。
(12)遠景の絵画的導入。
 このような借景導入の方法は平安期ころから扱われていたが、もっとも流行したのは江戸初期と、明治・大正・昭和初期である。ただその内容は時代によって著しい差があった。江戸期のものは自然主義的傾向と象徴主義的傾向の二つがあり、それぞれに発想と表現と目的を十分理解した作品が多く、ために傑作も生まれた。明治以降のものは、借景のみに力を入れすぎて肝心の作庭内容に力がなく、借景の目的が本末転倒となっている場合が多い。[重森完途]

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