高場乱(読み)たかば・おさむ

朝日日本歴史人物事典 「高場乱」の解説

高場乱

没年:明治24.3.31(1891)
生年天保3(1832)
幕末明治期の医師,教育家。筑前(福岡県)住吉村眼科医高場延山の次女幼名らん。野村望東従妹亀井昭陽につき儒学を修め,家業を継ぐ。帯刀男装し乗馬で患家をまわった。20代半ばに興志塾を起こし,のちに玄洋社の中心となる箱田六輔,進藤喜平太,頭山満らを出した。明治10(1877)年の西南の役に際して塾生らがこぞって西郷派に呼応し,乱も嫌疑を受け捕らえられた。赦されてのち,向陽義塾(のちの玄洋社),漸強義塾で教え,閉鎖後は眼科医として余生を送った。<参考文献>『玄洋社社史』

(中嶌邦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高場乱」の解説

高場乱 たかば-おさむ

1831-1891 幕末-明治時代の医師,教育者。
天保(てんぽう)2年10月8日生まれ。野村望東の従妹。家業の眼科医をつぎ,男装して患者の家をまわる。安政元年筑前(ちくぜん)(福岡県)博多住吉村の人参畑に興志塾をひらき,頭山満らを教育して「人参畑の先生」とよばれる。のち向陽義塾(玄洋社の前身)でおしえた。明治24年3月31日死去。61歳。幼名はらん。名は元陽。号は空華堂。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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