幼名(読み)ようめい

精選版 日本国語大辞典 「幼名」の意味・読み・例文・類語

よう‐めい エウ‥【幼名】

〘名〙 幼年時代名前。元服以前の呼び名。おさなな。わらわな。ようみょう。
山鹿語類(1665)二一成人の礼とし、而して幼名を去って字つく、則ち是れ冠礼也」
※二老人(1908)〈国木田独歩〉上「何時も徳と呼ぶ、其は武の幼名(エウメイ)徳助と称ったから」

おさな‐な をさな‥【幼名】

〘名〙 幼い時、仮につける名前。元服する以前の名前。童名(わらわな)。ようめい。
平治(1220頃か)上「八幡殿のおさな名を源太とぞ申ける」

よう‐みょう エウミャウ【幼名】

和英語林集成初版)(1867)「Yō-miyō エウミャウ 幼名」

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デジタル大辞泉 「幼名」の意味・読み・例文・類語

よう‐めい〔エウ‐〕【幼名】

ようみょう(幼名)」に同じ。

よう‐みょう〔エウミヤウ〕【幼名】

幼年時代の名。元服以前の呼び名。おさなな。ようめい。

おさな‐な〔をさな‐〕【幼名】

幼時の名。元服する前の名。ようめい。

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百科事典マイペディア 「幼名」の意味・わかりやすい解説

幼名【ようみょう】

幼時の名のこと。おさな名,小字(しょうじ)とも。現在は生まれるとすぐ本名をつけるが,古くは生まれると幼名をつけ,15〜16歳で元服すると通称実名などの新しい名をつけた。ただし農民などは一生幼名のままだった。幼名は,たとえば源義経の牛若,徳川家光の竹千代など。

幼名【ようめい】

幼名(ようみょう)

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普及版 字通 「幼名」の読み・字形・画数・意味

【幼名】ようみよう

小字。

字通「幼」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の幼名の言及

【人名】より

…これは1人が幾種類かの名を帯びる社会的な慣習である。日本では特に複名が多く,諱(いみな)(名乗(なのり))のほか,幼名(童名(わらわな)),通称,字(あざな),別号(候名(さぶらいな),芸名,源氏名,筆名,雅号,画号,俳号,狂名,等々),渾名(あだな),法名,戒名,諡(おくりな)等々が同一人に対して用いられることが多い。滝沢馬琴の公式の名は源興邦(おきくに)であるが,彼は本名のほか34の名をもっていたことで知られる。…

【袖留】より

…すなわち半元服には,額(ひたい)直しなどと称して額のすみの髪を剃るとともに袖留を行い,本元服に当たって前髪を剃り,武士社会ではこのおりに烏帽子(えぼし)をかぶったのである。なお,幼名から成人名への名替えは,武士社会においては半元服に,庶民の間では本元服に,それぞれとり行われる傾向がみられた。【平山 和彦】。…

【名付親】より

…古来両親以外の特定者に依頼して名をつけてもらい,その庇護をたのむ慣習があった。命名の時期としては幼名の場合と,成人名の場合とがあった。幼名の名付親には2通りあり,第1は拾い親,養い親の慣習によるもので,虚弱な子も丈夫に育つよう,また前に幼児を死なせた後に生まれた子や親の厄年に生まれた子などの無事成長を願い,しかるべき人に依頼してある場合には形式的にいったん捨てた子を拾って名を付けてもらったりした。…

※「幼名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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