高寺院(読み)たかてらいん

日本歴史地名大系 「高寺院」の解説

高寺院
たかてらいん

[現在地名]山江村山田

山田やまだ川の下流にあたる寺下てらのしたにあり、金剛山と号し、高野山真言宗本尊毘沙門天。草創の年紀は不明だが、寺伝では平安末期とする。もとの宗旨は不明だが、永享五年(一四三三)頃より真言宗となるという。宝暦期(一七五一―六四)の門中堂社并代々先師書(水上村生善院蔵)に、「一毘沙門堂 但三躰共毘沙門」として薬師堂、勝之峯観音堂をあげ、「一従開山快親当住寛任迄廿二代 開山快親永享五癸丑宝暦十庚辰迄三百廿八年」とある。境内の奥、石の階段を数百段登ったところに奥院の毘沙門堂があり、平重盛の菩提供養のための造営とされる。

現在も三体の毘沙門天立像があり、このうち一体は「嗣誠独集覧」によれば、寛永一八年(一六四一)原田はらだ(現人吉市)真福しんぷく寺より移したものとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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