日本大百科全書(ニッポニカ) 「高山不動」の意味・わかりやすい解説
高山不動
たかやまふどう
埼玉県飯能(はんのう)市高山にある真言(しんごん)宗智山(ちさん)派の寺。高貴山常楽(じょうらく)院と号する。本尊は五大明王。高山不動の名称で親しまれている。寺伝では654年(白雉5)藤原鎌足(かまたり)の第2子長覚が関東鎮護のため創建したといわれる。当寺はかつて修験(しゅげん)道場として栄え、盛時には36坊の塔頭(たっちゅう)を擁したが、火災により堂舎を焼失。明治維新の際、智山派となった。寺宝に軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)像(国重要文化財)などがあり、また不動堂参道にある大銀杏(いちょう)は一名「子育(こそだて)銀杏」ともいい、県の天然記念物に指定されている。
[眞柴弘宗]