高島郷(読み)たかしまごう

日本歴史地名大系 「高島郷」の解説

高島郷
たかしまごう

和名抄」所載の郷。訓はないが、同名の郷がある近江国高島郡は、高山寺本に「多加之万」、東急本に「太加之末」とあり、越中の場合も同様の読みが妥当。故地について、「三州志」が「若くは上島」として近世楡原にれはら郷のうえしま(現八尾町)を推定するのに対し、「越中志徴」はこれを否定し、また「三州地理志稿」は楡原郷に属する高嶺たかみね村・岩島いわしま(現八尾町)を、「日本地理志料」は新川にいかわ針原はりわら郷の高島村(現富山市)しま郷の高島新村(現同上)の地に比定するなど諸説がある。


高島郷
たかしまごう

「和名抄」高山寺本は「多加之万」(タカシマ)、東急本は「太加之末」と訓ずる。平城宮跡出土木簡に「近江国高嶋郡高」とみえる。天平一七年(七四五)九月二一日の百済女王度者貢進解(正倉院文書)に「川直吉麻呂年十七、近江国高嶋郡高島里戸主川直鎧戸口」とある。「釈日本紀」が引用する「上宮記」の「一云」にみえる継体天皇の父斯王がいたという「弥乎国高嶋宮」の高嶋も当郷に関係するものであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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