朝日日本歴史人物事典 「高橋安之丞」の解説
高橋安之丞
生年:生年不詳
高知県吾北村の若宮神社に祀られている「貞享の義人」。延宝~貞享年間(1673~88)に,山付の同村に楮草,茶を導入したと伝えられる。貞享4(1687)年,旱魃(イナゴの被害との伝承もある)により凶作となり,安之丞ら,村内富有の者は施米を行ったが飢饉を回避できなかった。このため安之丞は,山内家仕置役の岡部嘉右衛門に対して,年貢減免を要求する訴願を試みた。その結果,捕縛され入牢となり,元禄1(1688)年に打ち首とされた。遺骸は村民により丁重に葬られ,五穀豊穣の神として,墓畔には若宮神社が造営された。<参考文献>『郷土を救った人々』
(須田努)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報