ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高気圧室」の意味・わかりやすい解説 高気圧室こうきあつしつhyperbaric chamber 内部を 1気圧より高い気圧に保つことのできる密閉した小室で,治療に利用する。内部へは酸素または空気を圧搾ポンプで注入して,通常 3~6気圧という高い圧力を保つ。この中に患者を入れて呼吸させると,血液および体液中への溶解酸素量が著しく増加する。また身体に圧力がかかるため,体内に存在するガスは圧縮されて,その体積を減じる。このことを利用して,減圧症,一酸化炭素中毒,青酸中毒,破傷風菌やガス壊疽菌などの嫌気性菌の感染症,腸内ガスが膨満する腸閉塞,空気栓塞,動脈閉塞,チアノーゼのある心臓疾患患者の手術時,癌に対する放射線治療や,制癌剤治療に際して癌細胞の感受性を増すため,などに適用される。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by