高積神社(読み)たかつみじんじや

日本歴史地名大系 「高積神社」の解説

高積神社
たかつみじんじや

[現在地名]和歌山市禰宜

高積山(二三七メートル)、通称和佐わさ山山山頂に位置する。和佐山が「和佐の高山」ともよばれていたことから、当社はたか社・高宮高御前たかのごぜんともよばれる。旧村社。祭神都麻都比売つまつひめ命で、相殿大屋都比売おおやつひめ命・五十猛いたける命の二神を祀り、合せて三神を祀るので高三所こうさんじよ明神ともいわれる。

「紀伊国名所図会」は高御前神社と記し、その祭神について「山のうへにあり、祀る神三座高津比古神・高津比売神・気鎮社」と記す。延享三年(一七四六)の南紀神社録(和歌山県立図書館蔵)の「高積比古神社・高積比女神社」の項にも「在和佐山、今以高積彦姫社及気鎮社称高三所神」とあり、両書とも都麻都比売命を祀る神社は山東さんどう都麻津姫つまつひめ神社(現和歌山市吉礼)であるとする。これに対して「続風土記」は寛文記の説を引き、祭神は都麻都比売神で、高積彦・高積姫の二神が祭神であるというのは「高」の一字が同じであることからの付会にすぎないとし、「南紀神社録」などがいう山東の都麻津姫神社は、本来吉礼津比売命を祀るべき社であるとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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