国指定史跡ガイド 「高輪大木戸跡」の解説
たかなわおおきどあと【高輪大木戸跡】
東京都港区高輪にある大木戸跡。国道15号泉岳寺交差点の北東側に位置し、1710年(宝永7)、東海道から江戸府内への入り口として設けられた大木戸の跡で、歴史的な価値を有することから、1928年(昭和3)に国の史跡に指定された。木戸は初め札(ふだ)の辻(つじ)に設けられたが、現在地に移転し、高札場と大木戸が設けられた。木戸の両脇に長さ5間(9m)、幅4間(7.2m)、高さ1丈(3m)の石垣があり、間に柵と門が設営されていた。錦絵などを見ると、江戸時代後期には木戸は廃止され、明治初年には、黒塗りの木戸が新しく設けられたが、その後は土塁だけとなり、さらに道路拡張のため、山側の土塁が撤去された。この場所は幕末期に伊能忠敬が全国測量の基点としたとされ、近くには忠臣蔵で知られる赤穂浪士の墓所、泉岳寺がある。都営地下鉄浅草線ほか泉岳寺駅から徒歩すぐ。