精選版 日本国語大辞典 「髪を切る」の意味・読み・例文・類語
かみ【髪】 を 切(き)る
- ある目的のために頭髪を切る。
- (イ) 出家する。
- [初出の実例]「髪をも切り、ちちの後生をもとぶらはばやとこそ存て候へ」(出典:金刀比羅本平治(1220頃か))
- (ロ) 元服して、童髪を切り、髻(もとどり)に結う。また、元服させる。
- [初出の実例]「急ぎ髪を切り、烏帽子を着、東男に身をなして下らばやと思ひ候」(出典:謡曲・烏帽子折(1480頃))
- (ハ) ( 亡夫に貞節を立て、再婚しないしるしとして ) 後家になって髪を切る。
- (ニ) 遊女が、客に誠実を誓うために、髪を切る。
- [初出の実例]「髪(カミ)きりかねず指をおしまず、誓紙の日書(ひがき)年中三百六十まい」(出典:浮世草子・色里三所世帯(1688)下)
- (ホ) 遊女がこらしめに客の髪を切る。
- [初出の実例]「怨ののしり甚しきは客の髪を剪こと、女郎の作法のやうに心得」(出典:随筆・麓の色(1768)二)