デジタル大辞泉 「後生」の意味・読み・例文・類語 ご‐しょう〔‐シヤウ〕【後生】 1 仏語。㋐死後に生まれ変わること。また、死後の世。来世。あの世。→今生こんじょう →前生ぜんしょう㋑死後極楽に生まれること。来世の安楽。極楽往生。「後生を願う」2 他に哀願するときに用いる語。お願い。「後生だから助けてください」[類語]煉獄・地獄・奈落・彼あの世・後のちの世・後世ごせ・来世・冥土・冥府・冥界・幽冥・幽界・黄泉こうせん・黄泉よみ・霊界・草葉の陰・泉下 こう‐せい【後生】 1 あとから生まれてくる人。後世の人。「古人もそうだったし、―もそうでしょう」〈芥川・戯作三昧〉2 あとから学ぶ人。後輩。後進。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「後生」の意味・読み・例文・類語 ご‐しょう‥シャウ【後生】 〘 名詞 〙① ( 前生、今生(こんじょう)と対応して用いる ) 仏語。死後の生存のこと。死後の世。死後に住む世界。または、死後生まれかわること。後世(ごせ)。来世(らいせ)。あの世。[初出の実例]「余罪の後生(ごしゃう)の世に至らむことを恐れ、是を以て慙愧発露す」(出典:日本霊異記(810‐824)中)「現世は御寿命延び、後生は極楽の上品上生に上らせ給ふべきなり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)うたがひ)② 極楽に生まれること。極楽に生まれて安楽を得ること。また、その安楽。極楽往生。[初出の実例]「供二養法経一、是只為二後生一也」(出典:御堂関白記‐寛弘八年(1011)三月二七日)「まことに汝心ざしあらば、善根をして、敦盛がごしゃうに得さすべし」(出典:御伽草子・小敦盛(室町末))③ 極楽往生を念願して、この世で徳行を積むこと。功徳としての慈悲深い行為。[初出の実例]「一心になにはの事をも打ち捨てて、ひとへにごしゃうの勤めなり」(出典:仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上)④ 人におりいって事を頼みこむときに用いる語。許しを請うこと。哀願すること。お願い。[初出の実例]「大坂へつれてゐて下され、後生でござると泣きおがむ」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)上) こう‐せい【後生】 〘 名詞 〙① 後から生まれること。後に学ぶこと。また、その人。後進。[初出の実例]「遂使二後生之輩積習成一レ俗」(出典:続日本紀‐養老四年(720)一二月癸卯)[その他の文献]〔墨子‐非儒下〕② 子孫。後裔。〔詩経‐商頌・殷武〕③ 若いこと。若い人。〔新撰字解(1872)〕④ ⇒ごしょう(後生) のち‐おい‥おひ【後生】 〘 名詞 〙① あとにできること。あとから生じること。また、そのもの。[初出の実例]「のちおいのつのぐむ芦のほどもなきうき世の中は住みうかりけり」(出典:曾丹集(11C初か))② あとに生まれる人。あとに学ぶ者。こうせい。[初出の実例]「のちおいのいふ事のあれば、などて我がむまごにこそあれ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「後生」の意味・わかりやすい解説 後生ごしょう 死後生まれ変わることをいう。後世、来世と同義。前生(ぜんしょう)、今生(こんじょう)に対する語。『法華経(ほけきょう)』薬草喩品(やくそうゆぼん)などの経典にみられるが、往生(おうじょう)思想の盛行に伴って死後の往生の問題として重視されてくる。『栄花物語』うたがひの巻にも、後生の極楽往生への言及がある。また室町末期、蓮如(れんにょ)は『御文(おふみ)』に、「後生の一大事」として念仏往生を説いた。近世以降は一般語として、おりいって頼むときなど哀願する意味にも用いられるようになった。[北西 弘] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
普及版 字通 「後生」の読み・字形・画数・意味 【後生】こうせい 年少。後進。〔論語、子罕〕子曰く、後生畏るべし。焉(いづく)んぞ、來(後世の人)の今に如(し)かざるを知らんや。字通「後」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
岩石学辞典 「後生」の解説 後生 形成した時期より後の岩石の変質作用をいう.カタジェネシス(katagenesis)および初期(プロト─)変成作用(early(proto-)metamorphism)が含まれる[Loewinson-Lessing : 1925, Strakhov : 1967]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報