普及版 字通 「鬲」の読み・字形・画数・意味
鬲
10画
[字訓] かなえ・かま
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
かなえの類。三足がふくらみをもつ款足(かんそく)(中空)の分当(ぶんどう)形の器。〔説文〕三下に「鼎の屬なり。五(こく)(穀)を實(い)る。斗二升をと曰ふ。腹のと三足に象る」という。先史の土器に鬲形のものが多く、実用性の高い形状のものである。重文として瓦に従う字、またのように声に作る字がある。は漢令にみえる字である。金文に「人鬲(じんれき)」という語があり、また「臣十家、鬲百人」を賜う例があり、徒隷のような身分のものをいう語であった。
[訓義]
1. かなえ、三本の空足をもつかま、土がま。
2. にぎる、むせぶ。
3. 隔と通じ、へだてる。
4. (やく)と通じ、くびき。
5. 古く、人鬲のように身分の称に用いた。
[部首]
〔説文〕に(そう)・(ふ)(釜)・融(ゆう)など十二字、〔玉〕になお五字を加える。融の籀文は蟲(虫)に従い、食器である鬲中のものが腐敗し融穢(ゆうえ)して、虫が器の外にれる形である。
[声系]
〔説文〕に鬲声として・(隔)など八字を収める。カク声のものが多い。來(来)母(らいぼ)の字に、カ行音をもつものが多い。
[語系]
鬲・lyekは同声。ゆえに鬲をまたに作る。
[熟語]
鬲絶▶・鬲塞▶・鬲▶・鬲▶・鬲閉▶・鬲如▶
[下接語]
瓦鬲・懸鬲・鼎鬲・釜鬲・宝鬲
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報