鮭延郷・真室(読み)さけのべごう・まむろ

日本歴史地名大系 「鮭延郷・真室」の解説

鮭延郷・真室
さけのべごう・まむろ

南北朝期からみえる郷名で、鮭登とも記し、サケノブ、サカノブともよまれた。最上郡北東部支流の真室川流域を含めた鮭川流域一帯に比定される。興国二年(一三四一)頃と推定される八月二四日付の中院具信書状(有造館本結城古文書写)によれば、南朝方であった陸奥白河の結城親朝から藤島ふじしま(現東田川郡藤島町)城主中院具信に送った茶が、「鮭延辺」でことごとく奪われ、「御状」のみが届いたといい、当地は北朝方の勢力が強かったと思われる。寛正三年(一四六〇―六六)三月二三日の熊野先達職補任状案(若王寺文書)によれば京都若王にやくおう(現京都市左京区若王子神社)別当で本山派修験乗々院は弁僧都を「鮭延さかのふ郷之輩」の先達職に補任している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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