鮭川(読み)サケガワ

デジタル大辞泉 「鮭川」の意味・読み・例文・類語

さけ‐がわ〔‐がは〕【鮭川】

山形県北部を流れる川。ひのと山地三滝さんたき山(標高986メートル)に源を発し、途中真室まむろ川を合わせて最上川合流する。長さ48キロ。流域面積は最上川支流中最大。上流部を大沢川といい、下流部の沖積地は米作地帯。名の由来サケ遡上そじょうすることから。

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日本歴史地名大系 「鮭川」の解説

鮭川
さけがわ

秋田県水無大森みずなしおおもりの南面に水源を発し、真室川まむろがわ西部をおおむね南東流し、鮭川村北端左岸真室川を合せて南に向きを変え、戸沢とざわ津谷つや金打坊かねうちぼうで最上川右岸に注ぐ、流路延長約四八・五キロ、一級河川。中流域鮭川村佐渡さど真木新田まきしんでん与蔵よぞう峠を水源とし蛇行しながら南東流するまがり川を右岸に、同村川口かわぐち神室かむろ山から新庄市域を南西に向かう泉田いずみた川を左岸に、下流域戸沢岩清水いわしみずで新庄市南部を南西流する升形ますがた川を左岸にそれぞれ合せる。支流真室川は上流では塩根しおね川とよび、神室山系から発し金山かねやま町域を西流する金山川を真室川町あら町で合せる。同じく升形川には新庄市街北部を流れる指首野さすの川が注ぐ。鮭川村・真室川町・金山町・新庄市のほぼ全域、戸沢村の北半が水系に含まれ、新庄市を含む最上地方の耕地の三分の二、集落の大半がこれら河川の流域に展開する。

川名は鮭が多くさかのぼったことに由来すると考えられるが、流域段丘上には縄文遺跡が数多く分布し、出土する石錘・石槍などは鮭漁に使用されたものと思われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鮭川」の意味・わかりやすい解説

鮭川(村)
さけがわ

山形県北部、最上郡(もがみぐん)の村。1954年(昭和29)鮭川村と豊田(とよだ)、豊里(とよさと)の2村が合併して成立。JR奥羽本線、国道458号が通じる。中央を村名由来の鮭川が南流し、その東部の平坦(へいたん)地は水田地帯が広がり、西部は出羽(でわ)山地東麓(ろく)を占める丘陵山間地である。山菜のほかナメコ、エノキタケなどのキノコ類やヒメユリの栽培が盛んな純農村。鮭川の支流曲(まがり)川に注ぐ羽根沢(はねざわ)川の左岸には羽根沢温泉がある。面積122.14平方キロメートル、人口3902(2020)。

中川 重]

『『鮭川村史』(1986・鮭川村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「鮭川」の意味・わかりやすい解説

鮭川[村] (さけかわ)

山形県北部,最上郡の村。人口4862(2010)。新庄盆地の外縁にあたり,中央部を最上川の支流鮭川が南流し,この沿岸に平地がひろがるほかは丘陵,山地となっている。四方を山に囲まれているため,寒冷で日照時間が短い。主産業は農業であるが,稲作の生産性は低く,関東地方などに出稼ぎに出る者が多い。稲作のほかには山菜の産が多い。近年,人口の減少が著しい。中渡(なかわたり)に羽根沢温泉(重曹泉,47℃)がある。北端をJR奥羽本線が通る。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鮭川」の意味・わかりやすい解説

鮭川
さけかわ

山形県の北部を流れる最上川の支流。全長約 48km。上流部は真室川と称する。奥羽山脈の西縁をなす神室 (かむろ) 山地に源を発し,南西流して新庄盆地北辺で出羽山地に発する大沢川を合流,鮭川と改めて鮭川村中央部を南流し,泉田川,升形川を合せ,盆地西部で最上川に注ぐ。下流部は広い氾濫原を形成し,米を多産する。特に合流点付近は本流の水が逆流して,しばしば水害を起していた。

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世界大百科事典(旧版)内の鮭川の言及

【新庄盆地】より

…東を奥羽山脈に属する神室(かむろ)山地,北を丁岳(ひのとだけ)山地,西は出羽山地に囲まれ,南は猿羽根(さばね)峠で尾花沢盆地と画されている。盆地南部は最上川に,中央部は鮭川とその支流によって盆地床の浸食がすすみ,段丘や丘陵の多い開析盆地となっている。盆地内は低起伏の丘陵によって北部の金山(かねやま)川流域の金山盆地,中央部泉田川扇状地の塩野原や指首野(さすの)川扇状地の広がる狭義の新庄盆地,小国川下流の舟形盆地などに細分される。…

※「鮭川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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