鳥養村(読み)とりかいむら

日本歴史地名大系 「鳥養村」の解説

鳥養村
とりかいむら

[現在地名]摂津市鳥飼とりかいかみ一丁目・なか一丁目・八町はつちようしも一―三丁目・野々のの一―三丁目・西にし一―五丁目・八防はちぼう一―二丁目〉など

近世初期の村名で、鳥養郷ともいう。のちの鳥養上之とりかいかみの村・同中之村・同八町村・同下之村・同野々村・同西之にしの村・同八坊はちぼう村の七ヵ村をさす。鳥養の地名は古代部民の一である鳥養部の居住にちなむと考えられ、平安時代には左右馬寮管轄の鳥養牧が置かれていた。なお幕末になると「鳥飼」の表記が多くなる。鳥養村は北を安威あい川、南を淀川に挟まれた低湿部であるため、水防上、輪中地帯のように四周に囲堤が築かれている。囲堤は安威川沿いに頼殿よりどの堤、淀川沿いに淀川堤、東の島上しまかみさんまき四ヵ村(現高槻市)との境に千間せんげん縄手、西の一津屋ひとつや新在家しんざいけ別府べふ三ヵ村との間にうげふせ縄手があり、これらは一六世紀中葉頃には築堤されていたとみられている。

囲堤内諸村の分村過程については、すでに「建内記」嘉吉元年(一四四一)一一月壬申条に「而養牧五ケ村内三ケ村」「鳥養牧東西両村」の記載がみえ、当時東村西村と、おそらく上・中・下三ヵ村の計五ヵ村からなっていたと推察される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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