鳥鳴(読み)とりがなく

精選版 日本国語大辞典 「鳥鳴」の意味・読み・例文・類語

とり‐が‐なく【鳥鳴】

地名「あづま」にかかる。かかり方未詳。
万葉(8C後)二・一九九「食国(をすくに)を 定め給ふと 鶏之鳴(とりがなく) あづまの国の 御軍士(みいくさ)を 召し給ひて」
太平記(14C後)二「まだ夜深きに鳥が鳴(ナク)東の旅に出給ふ」
[補注](1)かかり方については諸説あり、(イ)東国のことばが中央の人たちには解しがたく、鶏が鳴くように聞こえたところから、(ロ)「鶏が鳴くぞ、やよ起きよ吾夫(あづま)」の「吾夫」が「東国」の「あづま」と同音であるところから、(ハ)鶏が鳴くと東方から空が白みはじめるところから、(ニ)鶏が鳴いて夜が明けるの意で「あ」に続くとか、鳥の鳴き声を「あ」と聞いたところから、などといわれる。
(2)平安時代以降、歌語としてはほとんど用いられなくなる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「鳥鳴」の読み・字形・画数・意味

【鳥鳴】ちよう(てう)めい

鳥が鳴く。〔詩、小雅伐木〕木を伐ること丁丁(たうたう)たり 鳥鳴くこと嚶嚶(あうあう)たり

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