鳩の杖（読み）ハトノツエ

デジタル大辞泉

はと‐の‐つえ〔‐つゑ〕【^×鳩の^×杖】

《ハトは食物をとるときにむせないということにあやかって》握りにハトの飾りのある老人用の杖。昔、中国で宮中から老臣に与えられたもので、日本でも80歳以上の功臣に宮中から与えられた。はとづえ。きゅうじょう。
「―にすがって宮の御前に参り」〈平家・四〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

はと【鳩】 の 杖(つえ)

1. 頭部に鳩の形を刻みつけた架杖(かせづえ)。老人の用いるもの。昔、中国で老臣を慰労するために宮中から下賜され、日本でも八〇歳以上の者に下賜された。高齢のたとえにもいう。はとづえ。きゅうじょう。
   1. 
      鳩の杖〈徴古図録〉
   2. [初出の実例]「雪をつみ蛍をあつめずして、いたづらに鳩の杖の齢に及びたり」(出典：九冊本宝物集（1179頃）二)

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の鳩の杖の言及

【鳩杖】より

…〈はとのつえ〉とも，音読して〈きゅうじょう〉ともいう。老人のつく杖で，頭部に鳩の形を飾り付けたもの。…

※「鳩の杖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」