鶴ノ丸遺跡(読み)つるのまるいせき

日本歴史地名大系 「鶴ノ丸遺跡」の解説

鶴ノ丸遺跡
つるのまるいせき

[現在地名]志波姫町 八樟

一迫いちはさま川によって形成された沖積地に向かって舌状に突出した標高約二〇メートルの台地上に立地している。遺跡は鎌倉末期以降に築城された館跡と、それ以前の時期の集落跡からなる。館跡は東西約二〇〇メートル・南北約二二〇メートルの規模をもつものと考えられ、自然地形を利用した平城である。上下二段の平場からなり、上段下段は土塁と堀によって区画されている。上段の平場はさらに堀によって二つに区画され、下段平場や上段平場の内側からは掘立柱建物跡が検出されている。出土遺物には中世陶器・懸仏などがある。この館跡については「仙台領古城書上」などにも記載されていないため、城主などについては不明な点が多い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報