日本の城がわかる事典 「鷲城」の解説 わしじょう【鷲城】 栃木県小山市にあった中世の平城(ひらじろ)。下野守護にも任じられたことのある中世の同国最大の豪族小山氏の城で、思川東岸の河岸段丘を利用して築かれていた。同市内の中久喜城跡、小山城(祇園城)跡とともに国指定史跡となっている。築城年代、築城者はわかっていないが、小山義政が1372年(応安5/文中1)、武蔵国太田荘の鷲宮を修築して、この祀神を本城に勧進して、鷲城と名づけたとする記録がある。1380年(康暦2)から1383年(永徳2)にかけて起こった小山義政の乱では、小山城(祇園城)を居城としていた義政は、長年対立関係にあった宇都宮氏や鎌倉公方足利氏満の軍勢と戦ったが、のちに小山城より堅固な鷲城に拠点を移して抵抗した。義政はその後降伏して、小山城(祇園城)へと移ったが、1382年(永徳2/弘和2)に再び反抗する。このため、鎌倉公方方に攻められ自刃、嫡子の若犬丸も奥州に逃れたが会津で自害して小山宗家は滅亡した。その後、小山氏の名跡は結城泰朝が継いだが、泰朝は本城を鷲城から小山城へと移した。現在、本丸跡には鷲神社があり、土塁、堀の痕跡が残っている。そのほかの外城は宅地化されてしまっている。JR東北本線小山駅からバスで小山車庫下車、徒歩約10分。 出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報