日本大百科全書(ニッポニカ) 「鷲宮」の意味・わかりやすい解説
鷲宮
わしみや
埼玉県北東部、北葛飾郡(きたかつしかぐん)にあった旧町名(鷲宮町(まち))。現在は久喜市(くきし)の中部北寄りに位置する地域。1933年(昭和8)町制施行、1955年北葛飾郡桜田村の大部分と合併、同時に南埼玉郡から北葛飾郡に移行した。2010年(平成22)、同郡栗橋町(くりはし)、南埼玉郡菖蒲町(しょうぶまち)とともに久喜市に合併。JR東北本線(宇都宮線)、東武鉄道伊勢崎(いせさき)線が通じる。古利根(ふるとね)川の沖積低地に位置し、集落は自然堤防上にのっている。鷲宮神社(わしのみやじんじゃ)の門前町で、江戸時代は5、10の日に穀物や木綿を中心とする市(いち)が立った。現在は米、イチゴ、ソバなどの生産が多い。近年、日本住宅公団(現、都市再生機構)わし宮団地が建設されてから、東京近郊の住宅地として宅地化が進み、人口も増加した。鷲宮神社には国の重要無形民俗文化財である催馬楽神楽(さいばらかぐら)や寛保(かんぽう)治水碑など史跡や文化財が多い。
[中山正民]
『『鷲宮町史』全16巻(1976~1987・鷲宮町)』