鹿をさして馬と為す(読み)しかをさしてうまとなす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鹿をさして馬と為す」の意味・わかりやすい解説

鹿をさして馬と為す
しかをさしてうまとなす

人を威圧したり、だましたりして、間違ったことや理屈にあわないことを押し通すこと。中国、秦(しん)の始皇帝没後宦官(かんがん)の趙高(ちょうこう)が幼少の胡亥を擁立して2代皇帝とし、自身は丞相(じょうしょう)となって権勢をほしいままにした。ついには皇位をうかがうに至り、ある日、自分の勢力を試そうとして、鹿を馬といって胡亥に献上し、その無理を押し通したが、趙高の威を恐れてだれひとり反対する者はいなかった、と伝える『史記』「秦始皇紀」の故事による。

[田所義行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android