鹿児島県の唄(うた)。起源には諸説あるが、1599年(慶長4)島津藩の琉球(りゅうきゅう)征伐に参加した日向(ひゅうが)の安久(やっさ)(宮崎県都城(みやこのじょう)市)の武士が、陣中で歌い出した『安久節』が変化したものとするのが妥当である。これが鹿児島郊外の伊敷村原良に入って『原良節』、地方全域に及ぶ際に「小」の字がついて『小原良節』となったという。大正のころから花街の酒盛り唄として盛んに歌われ、昭和初期、新橋喜代三(きよぞう)がレコード化に際し『鹿児島小原良節』の名がつけられた。「花は霧島 煙草(たばこ)は国分(こくぶ)……」の歌詞と明るい南国的なメロディで全国的に親しまれ、民謡というより俗謡に近い。
[斎藤 明]
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