改訂新版 世界大百科事典 「鹿苑院殿厳島詣記」の意味・わかりやすい解説 鹿苑院殿厳島詣記 (ろくおんいんどのいつくしまもうでき) 1389年(元中6・康応1)将軍足利義満の厳島詣に随行した今川貞世が記した紀行文。異称は《鹿苑院厳島詣記》《鹿苑院義満公厳島詣記》。3月4日に都を出て,10日の夜厳島に着き,翌11日に宮参りを終えたのち,伊予,周防あたりまで足をのばしたが,九州までの予定を途中で変更して3月26日に帰京するまでを記している。厳島詣といっても,実際は山陽・九州の大名を威圧し瀬戸内海を制圧する政治的ねらいを秘めた旅行であった。同じ著者の《道ゆきぶり》とともに,当時の瀬戸内海の交通・風俗などをうかがい知る好個の史料。《群書類従》所収。執筆者:小林 保夫 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by