麩屋町通(読み)ふやちようどおり

日本歴史地名大系 「麩屋町通」の解説

麩屋町通
ふやちようどおり

平安京開設時に開かれた富小路とみのこうじにほぼ該当し、御幸町ごこまち通の西に位置する。応仁・文明の乱による荒廃を経て、天正一八年(一五九〇)豊臣秀吉の市街地区画整理によって再開された。別に白山はくさん通ともよばれる。現在の中・下京区を南北に貫通。「坊目誌」は、「当時下立売まで通ぜしが、宝永五年皇宮地に入るを以て丸太町まで閉塞す。其間にありし町家を川東仁王門に移転せしむ。今尚ほ新麩屋町と云ふ」と記す。

別称の白山通の由来は、「御池の北に白山神社あるを以てなり」(坊目誌)と記され、麩屋町通の由来を「京羽二重」は「昔日此筋に腐麺を売者多かりしゆへに今にふや町通と云」とする。ただ、同書の刊行された貞享二年(一六八五)には左に掲げる「此町すぢ諸職大概」には特に麩屋商売としては記されていないところから、既に麩屋商売はなくなっていたものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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