日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒酒・白酒」の意味・わかりやすい解説 黒酒・白酒くろきしろき 宮廷で用いた神供(じんく)の酒。「き」は酒の古名で、「黒御酒(くろみき)」「白御酒(しろみき)」ともいい、大嘗祭(だいじょうさい)や新嘗祭(にいなめさい)のとき、神田(じんでん)でつくった米で酒を醸し、神に供えて天皇も飲み臣下にも賜った。甘酒のようにつくり、クサギという草の焼き灰で黒く色づけしたのを黒酒、入れないのを白酒という。のちにゴマの粉を混ぜて代用した時期もあった。伊勢(いせ)神宮でも9月の神嘗祭(かんなめさい)に供していたが、後世には廃れた。[井之口章次] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例