龍口(読み)たつのくち

精選版 日本国語大辞典 「龍口」の意味・読み・例文・類語

たつのくち【龍口】

  1. [ 一 ] 神奈川県藤沢市片瀬三丁目付近の旧称。鎌倉市の西方、片瀬川(境川)の東岸、袖ケ浦の北部に位置する。鎌倉幕府の刑場として有名。日蓮が文永八年(一二七一禅宗浄土宗などの禁止を鎌倉幕府に要望して罪に問われ、斬罪に処せられようとした地。
  2. [ 二 ] 東京都千代田区丸の内一丁目付近の旧称。江戸城西丸下の和田倉門にあり、濠の水が道三堀へ流れ落ちる出口に当たっていたところからいう。幕府の伝奏屋敷や評定所があった場所。
    1. [初出の実例]「一、龍之口まへに板倉石見守殿やしき有」(出典:江戸雀(1677)一)
  3. [ 三 ] 邦楽曲名日蓮上人が鎌倉幕府に捕えられ、龍口で斬られようとした時、奇跡がおこって助かったという内容の曲。一中節、箏曲(半井桃水作歌・佐藤美代勢作曲)、錦心流琵琶などがある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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