龍象寺(読み)りゆうしようじ

日本歴史地名大系 「龍象寺」の解説

龍象寺
りゆうしようじ

[現在地名]奈良市柴屋町

柴屋しばや町の南部、かみ街道の正木まさき坂に面する。宝寿山龍象資聖りゆうしようしせい禅寺と号する単立寺院本尊は地蔵菩薩半跏像(平安時代)で子安地蔵尊と称し、安産祈願所として知られる。一名奥の院ともいい、広大寺こうだいじ池畔にあった奈良時代創建の光台こうだい(広大寺・香台寺)の奥の院ともいわれている。縁起によると、聖武天皇の勅願所で天平二年(七三〇)行基の草創と伝え、享保一〇年(一七二五)興福寺一乗院門主二品尊照法親王から扁額を賜り、明和二年(一七六五)百拙が現宗派に改め、再建したとある。円照えんしよう山村やまむら御殿(現奈良市)の歴代皇族の信仰が厚く、梵鐘には円照寺常応心院宮文乗入道女王筆の銘がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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