ベレス・デ・ゲバーラ(読み)べれすでげばーら(英語表記)Luis Vélez de Guevara

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベレス・デ・ゲバーラ」の意味・わかりやすい解説

ベレス・デ・ゲバーラ
べれすでげばーら
Luis Vélez de Guevara
(1579―1644)

スペインの作家。セビーリャ県エーシハ生まれ。イタリアで軍人として活躍し、マドリードに没した。ロペ・デ・ベガの影響を受けた戯曲を多数残している。テーマも多彩を極め、内外の歴史劇から宗教劇まで幅広い。代表作は『死後統治』で、ポルトガルのペドロ王子とイネース・デ・カストロとの悲恋を描く。このモチーフスペイン文学ではしばしば登場するが、これは悲劇の展開に音楽性と叙情性の色彩をもたらした作品として際だつ。小説作品としては風俗主義的風刺小説『びっこの悪魔』が優れ、フランスの作家ルサージュに影響を与えた。

[清水憲男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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