ミヤマスミレ(深山菫)(読み)ミヤマスミレ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヤマスミレ(深山菫)」の意味・わかりやすい解説

ミヤマスミレ(深山菫)
ミヤマスミレ
Viola selkirkii

スミレ科多年草北半球温帯から寒帯に広く分布し,日本では中部地方以北の亜高山帯の樹林下に生える。葉は長い柄があって数枚根生し,広卵円形で葉身の基部は深い心臓形をなし,縁にあらい鋸歯がある。葉面には細毛がまばらに生え,葉脈に沿って白斑が入るものがある。春,葉の間から長い花柄を出し,先端に淡紫色の花を単生する。萼片は5枚で披針形花弁は5枚で左右対称をなし,側弁は通常無毛で唇弁には紫色の筋があり,後方に長い距がある。分布範囲が広いため,地方ごとに形態上の変異が多い。

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世界大百科事典(旧版)内のミヤマスミレ(深山菫)の言及

【スミレ】より

…(1)地上茎がない群 スミレに代表されるこの群の種は,東アジアや北アメリカの温帯でよく見られる。ミヤマスミレV.selkirkii Pursh ex Goldieは,北半球の冷温帯に広く分布し,日本では本州中部以北と広島県西部の山地に知られ,亜高山帯に生える。花期の高さ約10cm。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」