小佐味庄(読み)こさみのしよう

日本歴史地名大系 「小佐味庄」の解説

小佐味庄
こさみのしよう

遺称地はないが、庄域は現入善にゆうぜん町を中心とする地に比定される。暦応三年(一三四〇)小佐味庄飯野いいの(現入善町)の紛失状が作成されており(同年二月日「一条局文書紛失状」堀部家所蔵文書)、同地が一条局の所領であったことがわかる。また康暦元年(一三七九)には中条秀長が文永(一二六四―七五)以来の本領である「小佐味庄内半分地頭職」を京都南禅寺龍華りゆうげ院に寄進しており(同年一一月二四日「中条元威寄進状」、康暦二年六月一二日「足利義満御判御教書」ともに南禅寺文書)以後この地は禅院領として伝領されていく。しかしその領有関係は複雑でわかりにくい。至徳元年(一三八四)一一月三日京都天龍寺鹿王ろくおう院に出された太政官牒(鹿王院文書)には、勅役などの免除地として「小佐味領家職并地頭職」がみえ、領家職のみならず地頭職も鹿王院領となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android