布勢円山(読み)ふせのまるやま

日本歴史地名大系 「布勢円山」の解説

布勢円山
ふせのまるやま

「万葉集」巻一七―一九に繰返し歌われた布勢水海ふせのみずうみ湖岸の小高い丘を円山と称し、山上には布勢神社および小祠御影みかげ社が鎮座。万葉時代にはおそらく眼下に水海を見はるかす景勝地だったのであろう。布勢水海は大伴家持遊覧の地であったが、伝承では、この山に家持の館があったといい、元禄時代(一六八八―一七〇四)蕉門の句空は「夏かけてすみれも咲くや館のあと」と詠み、歌人・俳人関心の地であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android