成村(読み)なりむら

日本歴史地名大系 「成村」の解説

成村
なりむら

[現在地名]松任市成町

松任町の西の入口に位置し、北陸街道が当地を通って同町茶屋ちやや町に入る。村域は南北に延び、東は松任町のほか相木あいのき村に接し、北は竹松たけまつ村、西は平木ひらぎ村・北安田きたやすた村、南は村井むらい村。北陸街道とは別に本吉もとよし(現美川町)方面への道があり、木曾きそ街道とよんだ。

中世中村なかむら成丸なりまる郷の比定地。康正二年(一四五六)の「造内裏段銭并国役引付」によれば、相河弥三郎が知行する松任・成丸などの段銭として二貫八五〇文を納入している。応仁二年(一四六八)一〇月一日の富樫鶴童丸(政親)判物(祇陀寺文書)によると、応仁の乱で西軍についた額丹後守が押領していた「成丸之内」の田地祇陀ぎだ(現吉野谷村)に還付された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報