栃倉遺跡(読み)とちくらいせき

日本歴史地名大系 「栃倉遺跡」の解説

栃倉遺跡
とちくらいせき

[現在地名]栃尾市金沢 大倉

刈谷田かりやだ川右岸の河岸段丘上、標高一七〇メートルの平坦な緩傾斜地に立地する縄文中期の大集落跡。昭和三〇年(一九五五)と三一年に一部を発掘調査し、一一棟の竪穴住居跡を発見。二期に大別され、栃倉I式土器を伴うものは卵形プランの竪穴住居で、中央に長大なコの字形石囲炉をもつ。栃倉II式は円形または楕円形プランで、中央に舟形石囲炉をもつ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の栃倉遺跡の言及

【土偶】より

… 縄文時代の土偶の特徴は,発見例は少ないが,特殊な遺構に伴うもののあること,完全な形で出土することはほとんどなく,破損することが目的で製作されたとも考えられること,また女性,とくに妊娠している姿を写実的に表現したもののあること,などであるが,これらを併せ考えると,土偶の意義や目的は単一ではなかったようである。特殊な遺構で発見された土偶は,土壇や台石の上に置かれていたとみなせるもの(新潟県栃倉遺跡),土器片や石で囲ったなかに置かれていたもの(千葉県加曾利貝塚,岩手県雨滝遺跡,山梨県中谷遺跡など),石囲いに蓋石をのせる例(山形県杉沢遺跡,群馬県郷原遺跡)などがある。これらはなんらかの儀式や葬制に関連する役割を考えられるし,破損されるのはけがや災害の身代りに託しての祈りに関係するであろう。…

※「栃倉遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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