湯日郷(読み)ゆいごう

日本歴史地名大系 「湯日郷」の解説

湯日郷
ゆいごう

中世質侶しとろ庄を構成した三郷の一。現島田市の大井川以南で、南東部を除く一帯に比定される。大治四年(一一二九)質侶庄が立庄されたとき作成されたと推定される年月日未詳の質侶牧四至注進状案(陽明文庫蔵宗性筆最勝講聴衆記紙背文書)に「湯日郷」とみえ、郷内に田片世・岡田おかだ・堀立・郡戸・深宇木・神所・湯日の七ヵ村があげられている。大治四年三月二八日の遠江国質侶庄立券文案(東大寺図書館蔵宗性筆唯識論第五巻問答抄紙背文書)では、村名ではなく里名別に田数があげられていて、郡部・岡田・生恵東・生恵・鶴谷・大田・神所・湯日・深宇木・鎌蔵・田片世の一一里で、これらの里の田地は条里遺構で、田の総面積は六四町三段三杖。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報