角蝋虫(読み)つのろうむし

精選版 日本国語大辞典 「角蝋虫」の意味・読み・例文・類語

つの‐ろうむし‥ラフむし【角蝋虫】

  1. 〘 名詞 〙 カメムシ(半翅)目カタカイガラムシ科の昆虫。蝋でおおわれた殻は直径六~九ミリメートルで、淡い紅色を帯びた灰白色。殻の周縁には八個、背面中央には一個の角状突起がある。ミカン類の木に寄生する。日本には本州以南に分布し、全世界に広く分布する。角蝋貝殻虫。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「角蝋虫」の意味・わかりやすい解説

ツノロウムシ
つのろうむし / 角蝋虫
[学] Ceroplastes pseudoceriferus

昆虫綱半翅(はんし)目同翅亜目カタカイガラムシ科に属する昆虫。ツノロウカイガラムシともいう。ろう殻は大きく、6~9ミリメートルで厚みがあり、淡紅色をわずかに帯びた灰白色。成熟した殻はドーム状に丸くなる。雌の虫体は暗赤褐色で、腹面は強く隆起し、半球形。年1回発生。越冬成虫は5月に産卵し、6月中旬から下旬にかけて幼虫孵化(ふか)し、9~10月に成虫となる。日本では雄は現れず、単為生殖を行う。ミカン、チャツバキケヤキなど、多くの植物に寄生し、大害を与える。本州の宮城県・山形県以南の日本全土および世界各地に分布する。有力な天敵として、ツノロウアカヤドリトビコバチAnicetus ceroplastesが知られている。

[林 正美]


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動植物名よみかた辞典 普及版 「角蝋虫」の解説

角蝋虫 (ツノロウムシ)

学名Cer ̄oplastes pseudoceriferus
動物。カタカイガラムシ科の昆虫

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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