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カメムシ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カメムシ

(1) 半翅目異翅亜目のうち水生,半水生の類とグンバイムシトコジラミなどの科を除いた陸生種の総称で,多数の上科,科を含む。通常胸部に著しい臭腺が発達していて独特の臭気 (多くは悪臭) を発する。体形はさまざまであるが,いずれも三角形の小楯板 (しょうじゅんばん) が発達している。口器は長いになり,宿主植物や他の動物の体液を吸収する。 (2) Pentatomidae; stinkbug 狭義ではカメムシ科に属する昆虫の総称。体長2~40mm。多くは中型で体は幅広く,卵形ないしほぼ五角形のものが多い。頭部は三角形で前方にせばまり,複眼は基部両側にあって突出する。単眼は2個。触角は5節,まれに4節で体長よりやや短い。口吻は4節で長く,植食性のもの (カメムシ科の大多数が含まれる) では細いが,食虫性のもの (クチブトカメムシ亜科のみ) では幅広い。前胸背は三角形ないし台形で大きく,後側角が突出するものが少くない。小楯板も三角形で大きく,なかには腹部の大部分をおおうもの (クロカメムシ亜科など) もある。前翅は基半分が革質の半翅鞘になり,先端の膜質部との境は明瞭である。肢はあまり長くなく,跗節は3節。世界に約 5000種,日本に約 90種を産する。普通植物の茎などから液を吸収し,農業上害となるものが多い。近縁種に,クヌギカメムシ Urostylidae,ツチカメムシ Cydnidae,マルカメムシ Plataspidae,キンカメムシ,ノコギリカメムシ Dinidoridae,ツノカメムシ Acanthosomatidaeなどの諸科がある。 (→異翅類 , 半翅類 )

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

カメムシ

カメムシ目のうちセミやアブラムシなどを除いたカメムシ亜目に分類される昆虫の総称。呼び名は外観がカメの甲羅に似ていることにちなむ。独特の臭いは刺激性の強い有機化合物の一種「アルデヒド」が主成分。

(2014-03-04 朝日新聞 夕刊 2社会)

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百科事典マイペディアの解説

カメムシ

半翅(はんし)目異翅亜目(カメムシ亜目)の昆虫の総称。狭義にはカメムシ科とその近縁の数科に属する種類をいう。前翅の大部分がキチン化してかたく,先端部だけが膜質になっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カメムシ
かめむし / 椿象・亀虫
shield-bugs

昆虫綱半翅(はんし)目異翅亜目Heteropteraに含まれる昆虫で、狭義ではカメムシ科Pentatomidae(あるいはカメムシ上科Pentatomoidea)に属すものの総称であり、広義では異翅亜目のなかで陸生のものをさす。これは陸生カメムシ類Geocorisaeとよばれ、分類学的には顕角群Gymnocerataの多くを占め、半水生のアメンボ類(顕角群)や、タガメ、マツモムシなどの水生異翅類(隠角群)と区別される。[林 正美]

広義のカメムシ類

日本産は約20科に分類され、約1000種が知られている。体形は、円形、六角形から細長い糸状のものまでさまざまで、大きさも1ミリメートルから30ミリメートル近くまである。カメムシ科をはじめとして、ツノカメムシ、エビイロカメムシ、ノコギリカメムシ、クヌギカメムシ、マルカメムシ、ツチカメムシ諸科(以上、カメムシ上科)のほか、ヘリカメムシ、ナガカメムシ、ホシカメムシ、オオホシカメムシ、イトカメムシ、クビナガカメムシ、マキバサシガメ、サシガメ、ヒラタカメムシ、トコジラミ、カスミカメムシ(旧称メクラカメムシ)、ダルマカメムシ、ハナカメムシ、グンバイムシ、ミズギワカメムシなどの科が知られている。[林 正美]

生態

多くは植物体に針状の口吻(こうふん)を突き立てて吸汁するが、なかには、カメムシ科の一部、サシガメ科、マキバサシガメ科などのように、ほかの昆虫などの体液を吸収する肉食性のものがある。また、トコジラミ科のトコジラミはナンキンムシ(南京虫)ともいわれ、ヒトの血を吸う。
 卵は卵塊として産まれ、ツノカメムシ科、カメムシ科、ツチカメムシ科の一部では、雌は卵塊を体で覆うなどして外敵の攻撃から卵を守る。また、クヌギカメムシ類は非常に大きな紐(ひも)状の卵塊を産み、卵の周囲は寒天様の物質で覆われる。真冬に孵化(ふか)した幼虫は、萌芽(ほうが)までの数か月間、その物質から栄養をとる。一般に、幼虫期は1~5齢で、十分成長した幼虫は5回目の脱皮で成虫となる。越冬態もいろいろであるが、成虫態で越冬するものが多い。
 カメムシはヘッピリムシともよばれるように、手でとらえると青臭い強烈なにおいを出す。このにおいは、成虫では胸部腹面(中脚と後脚の間)に、幼虫では腹部背面に開口する臭腺(しゅうせん)から出される油状の液体で、敵を撃退するのに効果的である。しかし、このにおいもすこしずつ出すことによって、仲間と連絡をとる手段となる。幼虫など、集団で生活する場合では、においの強弱は分散を促す警戒信号となったり、仲間を近くに集める誘引物質となったりする。このにおいの化学組成もいくつかわかっており、アルデヒド系化合物のことが多い。[林 正美]

狭義のカメムシ類――カメムシ科

カメムシ科は世界各地に分布し、世界で約3500種、日本で約90種が知られる。大きさもいろいろで、3ミリメートルから30ミリメートル近くまである。体形は六角形でカメの甲のようであり、胸部の小楯板(しょうじゅんばん)は大きく三角形で、ときには腹部全体を覆う(キンカメムシ亜科)。頭部背面は平たく楯(たて)状、複眼は小さく、頭頂には2個の単眼がある。触角は5節からなり、口吻は4節。脚(あし)(ふせつ)は3節で、この点で、よく似たツノカメムシ科(節は2節)と区別できる。卵は壺(つぼ)形で、上部には蓋(ふた)があり、幼虫はその蓋を開けて出てくる。長い口吻をもち、普通、植物体より吸汁するが、クチブトカメムシ亜科ではほかの小昆虫(とくに鱗翅(りんし)類の幼虫)をとらえてその体液を吸う。成虫で越冬する種がほとんどであるが、アカスジキンカメムシなどは終齢(5齢)幼虫で越冬する。なお、エビイロカメムシ、ノコギリカメムシは現在はそれぞれ独立した科に分類されている。[林 正美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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