しおしお(読み)シオシオ

デジタル大辞泉 「しおしお」の意味・読み・例文・類語

しお‐しお〔しほしほ〕

[副]涙・雨などにぬれるさま。
「飽かず悲しくてとどめ難く、―と泣き給ふ」〈行幸

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精選版 日本国語大辞典 「しおしお」の意味・読み・例文・類語

しお‐しお しほしほ

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 雨・露・涙などに濡れうるおうさまを表わす語。多くは涙を流して泣くさまをいう。しぼしぼ。しぽしぽ。
源氏(1001‐14頃)行幸「あかず悲しくてとどめがたく、しほしほと泣き給ふ」
② 気落ちして力が抜けたさま、元気なくしおれたさまを表わす語。
※梵舜本沙石集(1283)一「此事を聞せ給て、しほしほと痩衰へて、物思姿にならせ給ふ」
③ 布などの張りがなく、やわらかなさまを表わす語。
太平記(14C後)二一「紅梅の色ことなるに、氷の如なる練貫の小袖の、しほしほとあるをかい取て」
④ 態度や様子がいかにもしとやかなさまを表わす語。
御伽草子横笛の草紙(室町物語集成所収)(室町末)「しばのあみ戸にたちそいて、しおしおとしたるありさま、いにしへのおもかげにも、なおまさりてぞおぼゆる」
[2] ((一)①から) 涙をいう女房詞。〔女中言葉(1712)〕
[補注](一)②③④については、歴史的かなづかいを「しをしを」とする説もある。

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