100%減資(読み)ひゃくぱーせんとげんし

M&A用語集 「100%減資」の解説

100%減資

会社が発行する株式のすべてを消却すること。会社法施行前までは、強制消却(株式を株主手元に置いたまま消却する)によって発行済み株式の全部(100%)を消却することで減資を行っていた。現在は強制消却の手続きはなくなり、株式の消却は「自己株式の消却」とし、「株式の消却」と「資本減少」は別の手続きとなり、「100%減資」の手続きは「発行済み株式の全てを一旦、全部取得条項付種類株式に変更し、その全部取得条項付種類株式を無償で取得する手順に変更された。減資と増資を組み合わせる(株式会社の既存の全株主を株主からはずしたうえで新しい出資者に出資させること)ことで、100%減資を企業再生のスキームで用いることも多い。

出典 M&A OnlineM&A用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内の100%減資の言及

【減資】より

…会社財産維持の基準である資本の額の減少により,減少後の資本の額を超える会社財産の株主への支払が可能となることがその直接の効果であり,そのことから,減資は,主として,会社財産の一部を株主に返還してその営業規模を縮小する目的(実質上の減資とよばれる),あるいは,経営が悪化して資本の欠損が生じている会社において会社財産の払戻しはせずに資本の額だけ減少させることによって欠損を縮小ないし消滅させ,将来の利益配当を行いやすくする目的(名目上の減資とよばれる)で行われる。日本では実質上の減資の実例は少ないのに対して,経営の悪化した会社の再建のために名目上の減資が行われることが多く,とくに会社更生手続においては従前の資本をまったくゼロにしてしまう,いわゆる100%減資すら行われている。 減資は会社財産の基本的なあり方を変えることになり,株主・社員にとって重大な利害関係が存するだけでなく,会社債権者にとっても自己の債権の満足をうけるための唯一の引当財産である会社財産の減少につながることから,やはり重大な利害関係がある。…

※「100%減資」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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