化学辞典 第2版 の解説
5-ヒドロキシメチルシトシン
ヒドロキシメチルシトシン
5-hydroxymethylcytosine
C5H7N3O2(141.13).大腸菌バクテリオファージT系のうち,偶数番号のもの(T2,T4,T6)のDNAにのみ見いだされるピリミジン塩基.
白色の粉末.融点200 ℃ 以上.λmax 279 nm(ε 9700,0.1 mol L-1 塩酸),269.5 nm(pH 7.4),283.5 nm(0.1 mol L-1 水酸化ナトリウム).5位のヒドロキシメチル基にグルコースがグリコシド結合していることが多く,大腸菌内の制限酵素による攻撃を防ぐ意味があるといわれている.[CAS 1123-95-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報


DNA中で紫外線照射により二量体となり,遺伝子傷害の原因となる。また,核酸中では修飾されたピリミジン塩基も存在し,真核生物遺伝子DNA中の5‐メチルシトシン,T偶数系ファージの5‐ヒドロキシメチルシトシンなどが知られる。【柳田 充弘】。…