G値(読み)ジーチ

化学辞典 第2版 「G値」の解説

G
ジーチ
G value

放射線がある反応系に作用するとき,その反応系に吸収された放射線エネルギー100 eV ごとに反応(生成,あるいは減少)した分子数をいい,放射線による化学反応収量を表すために放射線化学でもっとも広く使われている.安定な分子について用いられるのみでなく,不安定な各種反応中間体,さらに個々の反応過程に対しても同様に用いられる.イオン対収量M/Nとの関係はW値を用いて,

のように表すことができる.なお,G値の単位は自明であるから,普通,省略される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のG値の言及

【放射線化学反応】より

…これによって数多くの短寿命活性種が同定され,その反応速度定数が測定されている。
[G値]
 放射線によって誘起される反応は,系に吸収される放射線のエネルギーによって決まる。放射線化学反応における反応生成物の収率を表すのにG値がよく用いられる。…

※「G値」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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