知恵蔵 「Lyft」の解説
Lyft
Lyftのドライバーに特別の免許証は不要だが、普通の運転免許証や自家用車の写真、犯罪歴等の個人情報の登録の他、Lyft社による面接や研修を経なければならない。しかし、皆がプロのドライバーというわけではない点、多くのドライバーが自分の空き時間に副業として乗車サービスを行っている点も特徴の一つである。
同じようにアプリを使用した乗車サービスで有名な「Uber」では、ハイヤーのような運転手付の高級車を手配できる。また、Uberのサービスの中には、Lyftと同様に自家用車を利用した「UberX」というサービスもある。Lyftが米国内のみのサービスに留まっているのに対し、Uberは、世界中の300以上の都市でサービスを展開しており、14年3月には、日本市場へも参入している。しかし、日本国内では、自家用車を使った乗車サービスが違法となるため、UberXは展開されていない。16年2月現在、日本のUberでは、ハイヤーやタクシーをより安く提供する「Uber BLACK」、「Uber TAXI」といったサービスを、国内のタクシー会社と提携し、違法性のない範囲で提供するに留まっている。同様の理由で、現在の日本の法律上、Lyftの国内展開は困難だが、15年3月に、日本最大のネットサービス企業「楽天」が、Lyftに3億ドルの出資を発表したり、15年10月の国家戦略特別区域諮問会議で安倍首相が「過疎地などで観光客の交通手段として、自家用自動車の活用を拡大する」と、ライドシェアサービスに対する規制緩和へ意欲を見せる発言をしたりしたことなどから、Lyftの今後に期待が寄せられている。
(横田一輝 ICTディレクター/2016年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報