シェアリングエコノミー(読み)しぇありんぐえこのみー

デジタル大辞泉 「シェアリングエコノミー」の意味・読み・例文・類語

シェアリング‐エコノミー(sharing economy)

物・サービス場所などを、多くの人と共有・交換して利用する社会的な仕組み。自動車個人会社で共有するカーシェアリングをはじめ、ソーシャルメディアを活用して、個人間の貸し借り仲介するさまざまなシェアリングサービスが登場している。シェアエコノミーシェアエコ共有型経済

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共同通信ニュース用語解説 「シェアリングエコノミー」の解説

シェアリングエコノミー

乗り物や住居、服など個人が持つ資産や能力を他者と分け合う経済活動。インターネット人工知能(AI)を使って無数の人のニーズと膨大な遊休資産をマッチングできるようになった。空き家空き部屋を貸す民泊、自家用車に客が相乗りするライドシェア、共有オフィスのほか、個人の時間や能力を有効活用する副業も含まれる。国内市場規模は1兆8千億円超との試算もある。

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知恵蔵 「シェアリングエコノミー」の解説

シェアリングエコノミー

乗り物、住居、家具、服など、個人所有の資産等を他人に貸し出しをする、あるいは、貸し出しを仲介するサービスを指す。近年、欲しいものを購入するのではなく、必要なときに借りればよい、他人と共有すればよいという考えを持つ人やニーズが増えており、そのような人々と、所有物を提供したい人々を引き合わせるインターネット上のサービスが注目を集めている。
世界的に有名なコンサルティング会社「プライスウォーターハウスクーパース(PwC)」によると、2013年に約150億ドルだったシェアリングエコノミーの市場規模は、25年には約3350億ドル規模に成長する見込みだ。
シェアリングエコノミーの草分けともいわれるのが、08年に開始された「Airbnb(エアービーアンドビー)」だ。同サービスは、個人所有の住居の空き部屋等を他人に貸し出すインターネット上のサービスとして成長し、16年現在、世界191カ国34000以上の都市で利用できる。
また、「ライドシェアリング」と呼ばれる、「Uber(ウーバー)」や「Lyft(リフト)」等の自家用車を利用した配車サービスも、米を中心に利用者を増やしている。同サービスでは、利用者が、スマートフォンの専用アプリを使って、近くにいる他人の車に乗車する。プロのドライバーではない、一般人が自家用車で配車サービスを行う点が一番の特徴だ。
日本国内では、20年の東京オリンピックに向けて、外国人客の増加が見込まれる中、16年4月に旅館業法施行令が一部緩和され、住宅の全部または一部を活用して宿泊サービスを提供する「民泊」と呼ばれるサービスが、Airbnbのように普及する可能性を見いだしている。
Uberも、13年より日本の都心部で試験運用が始まったが、日本の現在の法律上の問題や、タクシー業界の反発によって、米のようなサービス展開には至っていない。しかし、現在の法律を改正する検討が行われているため、将来的に、米国と同様のサービスが展開される可能性もあるため、今後のライドシェアリングの市場拡大も期待されている。
その他、国内では、家事を始め、子どものお迎え、家具の組み立て、ペットの世話などを、「ご近所サポーター」と呼ばれる近所のスキルのある人に依頼できる「ANYTIMES(エニタイムズ)」や、個人間で、自家用車をシェアする「Anyca(エニカ)」といった国産のシェアリングエコノミーがユーザー数を増やしている。

(横田一輝 ICTディレクター/2016年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェアリングエコノミー」の意味・わかりやすい解説

シェアリング・エコノミー
しぇありんぐえこのみー
sharing economy

個人や企業、非営利団体などが所有する物や遊休資産、ノウハウなどを、インターネットを利用した仲介によって貸し出すなどして、他者と交換・共有すること。貸し主はレンタル料などの収入が得られ、借り主は所有することなく、必要なときだけ活用できるという利便性が得られる。日本語では共有型経済と訳されている。シェアリング経済やシェア経済ともよばれ、そのサービスをソーシャル・シェアリングやシェアリング・エコノミー型サービスという。従来のレンタルサービスとの明確な違いはないものの、ソーシャルメディアを活用することで、他人との貸し借りや共有を円滑にしている点に特徴がある。代表的なサービス分野としては、金融、人材、宿泊施設、自動車(運輸)、音楽・動画配信の五つがあげられる。

 シェアリング・エコノミーということばは、2000年代なかばにアメリカで使われるようになった。その後、2008年に、個人宅や空き家などを宿泊施設として貸し借りするためのオンラインプラットフォームであるAirbnb(エアビーアンドビー)が設立されると、シリコンバレーを中心に多くのシェアリング・エコノミーサービスが展開されることになった。前述の5分野における世界市場規模は、2013年には約150億ドルであったが、2025年には約3350億ドルへと急激に拡大すると予測されている。しかし、このようなサービスを運営していく上での最大の課題は、いかにしてユーザー同士の信頼性や安全性を確保していくかということである。

 日本で提供されているサービスとしては、民泊や配車サービス、空いた月決め駐車場の一時貸の仲介、家事代行の仲介などがあるが、その多くは国家戦略特区において実証実験が行われている段階である。国内のシェアリング・エコノミー型サービスの利用状況についてみると、事故やトラブルに巻き込まれることへの懸念からか、その利用には慎重な者が多く、年代が上がるにつれて利用意欲は低くなるという傾向がある。

 政府はシェアリング・エコノミー型サービスを成長戦略の一つとして位置づけているが、今後、全国展開にあたっては、規制緩和や民間団体との運用上の調整が不可欠である。一方、海外では市場規模の拡大に伴い、個人の貸し主や手数料収入を得る運営会社に対する課税方法など、新たな問題が浮上している。

[編集部 2016年7月19日]

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