化学辞典 第2版 「RS表示」の解説
RS表示
アールエスヒョウジ
RS convention
キラル化合物の絶対配置を区別するために,RとSの記号を用いて表示する方法.R.S. Cahn,C.K. Ingold(インゴルド),V. Prelog(プレローグ)によって1966年に最初に考案された.規則の改良や追加を経て,現在では系統的な絶対配置の表示法として普及している.四面体形のキラル中心に適用するとき,まず順位則に従い中心原子に結合した四つの置換基に順位をつける(高いほうから順にa > b > c > d).続いて,優先順位のもっとも低いdの置換基を遠くになるように分子をおき,このときa,b,cが右まわりに並んでいればR,左まわりに並んでいればSとする.
補則を適用することによって,キラル軸,キラル面や四配位以外のキラル中心についても,絶対配置のRS表示が可能である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報