デジタル大辞泉
「STEAM教育」の意味・読み・例文・類語
スティーム‐きょういく〔‐ケウイク〕【STEAM教育】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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知恵蔵
「STEAM教育」の解説
STEAM教育
「STEAM」とは、サイエンス(Science/科学)、テクノロジー(Technology/技術)、エンジニアリング(Engineering/工学)、アート(Art/芸術)、マセマティックス(Mathematics/数学)の頭文字を取った造語。児童生徒が数学・科学の基礎を身につけた上で、技術や工学を応用して、問題に取り組む「STEM(ステム)」にアートの感覚、具体的にはデザインの原則を用いたり、想像力に富み、創造的な手法を活用したりすることによる問題解決を奨励すること。このために必要な能力を統合的に学習することが「STEAM教育」である。
2018年6月に文部科学省と経済産業省が今後の教育方針について報告書・提言書を公開、そこにはSTEAM教育の必要性について記載されている。両省が掲げる方針で共通している方向性は、AI(人工知能)やIoTが(モノのインターネット)発達する社会は単に現在の延長線ではない。したがって、与えられた仕事をこなすだけでなく、異分野をつなげる力や新たな物事にチャレンジする能力が必要である、というもの。
そのための手法として、STEAM教育を掲げている。学習内容はSTEAM教育に重点を置くとしながらも、知識の習得や基本的な計算などの基礎学力を身につけた上で、問題解決能力や、想像力・創造力を高めることをテーマとする。文理分けはせず両方やる必要があるとする。学び方は一斉一律から脱却し、個別化し、EdTech(Education(教育)とTechnology(科学技術)を組み合わせた造語)を活用することでエビデンスを取り、改善につなげる。18年には都内でタグラグビーを数学で疑似シミュレーションする「数学×スポーツ」、名曲をデータ解析する「音楽×数学」などSTEAMの狙いを掲げたプロジェクトが実施された。STEAM教育を実践する環境については、同じ学年の児童・生徒が同じ時間に同じ教室に集まる必要はなく、学校である必要さえないかもしれず、児童・生徒に「学び、考えることを促す」人は教員に限らず、そのためには専門家を招くこともある。その場合、教員の役割は教えるのではなく、学びの場をプロデュースして講師と生徒をコーディネートするなどの役割を担うことになる。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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