X線マイクロアナライザ(読み)エックスせんマイクロアナライザ(英語表記)X-ray microanalyser

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「X線マイクロアナライザ」の意味・わかりやすい解説

X線マイクロアナライザ
エックスせんマイクロアナライザ
X-ray microanalyser

電子プローベマイクロアナライザ (略称 EPMA) ともいい,X線分光分析装置の一種。真空中で径1 μm 程度に絞った電子線を試料面に照射し,その部位の元素が励起されて放射する特性X 線をX 線分光法により分光し,その強度波長により元素の定量分析を行う。定量精度はケイ光X線分析よりも悪いが,電子線を細く絞るためきわめて小さい領域内の分析ができ,また試料面を電子線で走査すれば試料全面の元素分布を知ることができる。元素により特性X線の波長が大幅に異なるので,通常分光用結晶は数種類をそなえ,また強度測定用計数管も目的元素により適当なものを用いる。原型は 1956年フランスのイルシッドで開発されたが,現在のものは非常に精巧で,鉱物中の元素分布や金属材料の偏析・不純物の研究に広く用いられている。ただし軽元素の分析は原理的には可能であるが,その特性X線波長が長すぎて実際には困難であるため,オージェ電子顕微鏡が用いられる (→オージェ効果 ) 。

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